« 『しっぽの想い』絵本 | メイン | ベルギー・フランダース政府観光局 »

『どうぶつびょういん』絵本

animal_book.jpg

『どうぶつびょういん』絵本(2008年・PHP研究所)
story & illustration by Rutsu Tobii 2008 PHP Institutes.

*2009年度 新潟県の読書感想文コンクールの課題図書に選ばれました。
*2008年度 第38回長野県小中学校図書館部会の推薦図書に選ばれました。
*2008年度 全国学校図書館協議会、名古屋市児童図書選定委員会の選定図書に選ばれました。
*韓国語版が発売されています。
OpenKid Publishing 2009年9月出版 「どうぶつびょういん」얼룩말 의사 선생님


<書評紹介>
*2008.雑誌『灯台』9 月号 
*2008.雑誌『日本児童文学』11-12月号 
*2009.冊子『こどもの図書館』3月号
*2010.雑誌『キッズレーダー』(日能研)7月号

*『どうぶつびょういん』に関するトピックはコチラ

***************************************************************************************

◆子供も大人も楽しめる本

「どうぶつびょういん」は動物のための病院ではありません。
動物たちがお医者さんで、子供たちのよくないところを 治す手伝いをしてくれる、病院なのです。
このおはなしには、たくさんの動物が登場します。
それぞれいろんな特徴をもった動物たちと、子供たちのやりとりを通じて、
読者である子供たちに、これから生きていく上で 大切に考えてもらいたいことを
うまく伝えられたらな、と思いながらつくりました。

それは、子供だけでなく大人にも子供と一緒に考えてほしい
普遍的なことだったりもします。

お天気にはじまり、植物、動物などの「自然の姿」から学ぶことは たくさんあります。
可愛らしい外見をした動物も、厳しい野生の世界を生き抜くため、
本能と知恵で、共存や競争の手段を選びとりながら 生活している、たくましい存在です。

そんな動物たちの姿を比喩にして、日頃、生活を送る上のマナーや道徳的なこと、
ポジティブな考え方を伝えたかったのです。


◆好奇心、思いやり、心をこめることの大切さ

例えば、ぶたさんがお医者さんとして登場する箇所では、
食べ物の好き嫌いのある女の子に、
ぶたさんが いろんなアドバイスをします。

けれどもそのアドバイスは 食に限らず、
「好奇心をもつ」ということが、好き嫌いの解決に役にたつのでは、と
ぶたさん伝えているのです。

それから、料理を作ってくれる人に「思いやりの心」をもつこと。
料理を作る立場の人にも「心をこめることの大切さ」をもってもらいたい。

ぶたさんが、子供にも大人にも、気づいてもらいたいことのひとつです。
料理に限らず「心」を考えることは、すべての行動の根本であってほしいからです。


◆個性を認めることの大切さ

いじめの問題についての、お話もでてきます。
この根深い社会問題を、決して簡単に諭したりはできないのですが、
動物たちのメッセージを通じて、何かを感じてもらえるでしょうか。

最後には、動物たちは「自分らしくいなさい」とアドバイスしているのですが、
「個性を認める、みんなそれぞれ違うことがあたりまえ」ということの理解は、
生きていく上でとても大事なことに思えます。

他人とくらべて、同じだとか違うといったことを問題にすることで、
たくさんの不幸が生まれていることは事実です。
外見や社会的地位の格差や差別、それによる競争など、
残念ながら、「較べること」はあまりいい現象を引き起こしてはいないようです。

けれども、他者と較べず、無二の個性である自分に自信をもつことや、
他者を認めて尊重することは、いじめだけでなく、ひいては戦争だってなくせるかもしれない、
人間として心がけたい大切な本質ではないでしょうか。

子供なりの立場で、ぜひ考えてもらいたいと 願っていることです。


◆おわりに

本を読んだ後は、大人も子供も、家や学校で飼っているペットや動物を世話しながら、
そして動物園に行くたびに、自然や動物の姿から
何か生きるヒントやエネルギーを感じてもらえるようになるといいな、と思います。


全国の本屋店頭、PHP研究所のHP ほか、オンラインブックショップにて発売中です。